JAS有機認証を持った長年ご愛用頂いているコロンビアの看板商品、メサデ・ロス・サントス。
22/23クロップ新穀のご案内です。
2年前の20/21クロップ迄はティピカ単体でのご案内でございましたが、昨年度からのコロンビア全体の収量不足の中、農薬を一切使わない本農園は他農園以上の打撃をうけ単一品種では商品を作れない状況は継続してございます。
例年であれば「自然環境で育った、各品種そのものの魅力を伝えたい」という想いから、品種をブレンドすることなく、 各品種100%の商品を作り出しているこだわりの詰まった商品をお届けしておりました。
しかしながら本年度は冒頭の理由から、農園のこだわりも大事にしながらも、やはりコーヒーを待ってくれるお客さんへ届けることが最優先と考え、品種ブレンドでのお届けとなります。
例年とは異なる形でのご紹介となりますが、何とか継続的に輸入することができ、皆様にご紹介できることを嬉しく思います。
コロナ禍や未曽有の相場高の中でも、新しい試みでお届けする本商品、「メサデ・ロス・サントス ~New Generation~」をぜひご検討下さいませ。 (なお、New Generationは農園側で名づけられた商品名となります。)
なお22/23クロップより、より扱いやすさを考慮した「35㎏麻袋」にてお届けいたします。
メサデ・ロス・サントスが作られる 農園は周りが山と谷に囲まれた山岳部の農園で、平均気温が昼間は30度を超える気温でありながら、夜になると10度を下回るという大きな気温差が、香りが良くきれいな酸味をもつ良質なコーヒーの栽培に適している農園です。
コロンビア国内では森林保護、良質のコーヒーの栽培等の面から“理想の農園”として評価を受けていると同時に、大統領訪問時には、コロンビア国内の Specialty Coffee の模範農園として評価されています。
農園の始まりは1872年。実に140年以上も前に遡ります。 現在の農園オーナーであるOswaldo Acevedo(オズワルド・アセヴェード)氏の曽祖父であるDon Termo氏が、地元で生産されているコーヒーを欧州へ販売する輸出業から同農園のコーヒーの事業はスタートしました。
それ以降、代々コーヒーの輸出業に携わってきた家系が、コロンビアのコーヒー発祥の地と言える中部のサンタンデール県に農園を保有したのは、今から75年前の1946年。
現在は4代目となるOswaldo氏の下で、農園が位置する土地の名称である”Mesa de Los Santos”と言うブランド名にて、日々このコーヒーの魅力を伝えることに尽力しています。
オズワルド氏は、かつてはSCAA(アメリカスペシャルティー協会)主催の展示会でも、スペシャルティーコーヒーを作るための営農方法等に関してのスピーチを行う程の知識を持ち合わせていて、コロンビア国内のスーパーマーケットや民芸品店でも、「メサデ・ロス・サントス」名を冠した商品が数多く並んでいます。
そんな兼松が誇るJAS有機豆の一つである同商品ですが、2010年代前半には有機栽培であるが故にさび病の影響で一時期生産が落ち込んでおりました。
しかし独自の灌漑システムの導入や創意工夫により、現在では農園の総生産量で停滞期のおおよそ3倍となる3,400袋ものコーヒーを生み出すまでに回復。
小農家の多いコロンビアでは単一農園として国内トップクラスの農園の広さと生産量を誇っております。
JAS有機認証を取得していることからも表される土壌環境の保全、シェードツリーによる自然/生態系保全、トレースの取れる透明性等、数多の取組を通し責任を持った活動を行っている同農園。
自然環境に配慮しながら安定的生産を行うため、さび病等の疫病対策や比較的少量の水使用で済むウォッシングマシーンの導入などの施設完備はもちろん、労働者含めた周辺環境の保全にも寄与。
近辺にカフェを隣接し従事者の安定を図る等、地域住民と一緒に作り上げる協働コミュニティとして存在し、生産者としての立場だけでなく、地域コミュニティそのものに貢献している素晴らしい農園です。
さらに世界で猛威をふるうコロナウイルスの環境下、以下の対策を徹底した結果、収穫期で人が集まる中も同農園で働く人感染者を0人に抑える営農をしております。
① 従業員のマスク着用
② シフト制、自治体と連携したルール教育、順守
③ 以前より構築されていたローカル地域での“共存”運営
従業員の居住も農園近辺に集中させており、日常生活において大都市であるブカラマンガまで出ないことも寄与しておりますが、営農において当初難点であった、従業員同士の連携、最善なタイミングでの適切な収穫処理等に対する懸念は事前に解消。
昨年度より始まっていたコロナ対策も、2年目となり農園内でのニューノーマルとして浸透してきつつあります。
そんな看板商品のメサデ・ロス・サントスですが、昨年JAC主催のジャパンエアロプレスチャンピオン2021の大会基準豆に選出されました。
この大会の前段階として、全国各地の有望ロースター30社がみな同じ豆を焙煎し、大会で使用する焙煎豆を決めるための大会が執り行われます。 こちらの基準豆として弊社のメサデ・ロス・サントスが採用された次第です。
焙煎豆コンペティションは東京、福岡の2会場で行われ、この大会の参加者の方々が30社分のカップをブラインドで採点していきます。我々も特別審査員とし東京大会へお邪魔させて頂きました。
焙煎度等に特に規定はなく自由であるためか、同じ豆を使用しているにも拘らず、各カップに光る個性があり、焼き方でここまで変わるのかと改めて実感した次第でございます。
是非皆様も様々な焼き加減をお試しの上、豆のポテンシャルを最大限引き出していただけますと大変光栄に存じます。
コロンビアの伝統的なウォッシュドから、独自の知見と技術で常に新しいものを生み出すチャレンジングな商品まで幅広くあるメサデ・ロス・サントス。
この機会に是非お試しくださいませ。