新たな試みとなるケニアより、価格と味のバランスがうまく調和した単一農園のご紹介です。
カムンドゥ農園は首都ナイロビから北に25㎞北上したキアンブ・カウンティ、キアンブ・イースト地区に位置し、ケニア中部のギスングリ町とリムル町に隣接しております。
この地域はコーヒー生産において長い歴史を持ち、20世紀初頭にイギリスの植民者によって設立された大規模な農園があることで有名でも有名です。
またキアンブ・カウンティは、赤道に近く、コーヒー栽培に適している鉄分を多く含む半火山性の土壌に、所によっては黒色綿土壌とローム土壌が入り混じる理想的なテロワール、豊富な日照量、常に1,500m以上の高地という、アラビカコーヒーが上手く育つための条件をすべて備えております。
このような肥沃な高地では昼夜の寒暖差により、夜はチェリーがゆっくりと成熟し、最終的なカップに酸味と複雑さが生まれます。
収穫地であるカムンドゥ農園には同地域に精選を行うためのミルも併設されており、収穫から精選、乾燥まで一気通貫で行える環境にあることも特徴の一つです。
小規模生産者が多いケニアでは、「ファクトリー」と呼ばれる生産処理場に納められた多数の小規模生産者のコーヒーからひとつのロットが作られるのが一般的ですが、今回ご紹介するものは単一農園ものになります。
ファクトリーものが大半を占めるケニアでは、そのファクトリーに持ち込まれる個別農家のロットにより、品質がぶれやすい傾向にあります。
この傾向自体は小農家の多いエチオピアとも重なる部分がございますが、精選ステーションを絞り込むことが品質の安定化に繋がった「エチオピア ザ・セレモニーシリーズ」とは異なり、
ファクトリーを絞り込むことが、必ずしも安定品質の確保に繋がらないという点が、長年ケニアの課題でありました。
そこで、弊社としてサスティナブルな取り扱いを目指すには単一農園までの絞り込みが必要であると目論んでおり、例年産地開発に勤しんでおりましたところ、
ようやくそれが叶う、比較的生産量も安定している農園に出会うことができました。
この農園に初めてコーヒーが植えられたのは、遡ること約100年前の1924年、はじめはイギリスの入植者によって所有されておりましたが、
その後ケニアがイギリスの植民地を脱却した1963年に現地民であるケニア人に売却、以来ずっとケニア人の手によって管理・営農が行われております。
かつては上記のような背景で多くの大規模農園が乱立し、コーヒーは独立後のケニアを支える一大産業となっておりました。
しかしながら、時代が進むにつれナイロビの都市化が進み、地価が上昇したため、大規模農園でのコーヒー生産は徐々に減少し、変わって地方での小規模農家による生産が近年増加している中、カムンドゥ農園ではその地域に受け継がれた知識と経験によって、今もなおコーヒーを作り続けているのです。
カムンドゥ農園は、高品質で有名なケニア山のふもとに近いニエリ、キリニャガ、エンブといった地域ではなく、
キアンブであったことにより、品質の割には価格がそれほど高くなく、
コストパフォーマンスの良さを強みとする、Coffee Networkとして自信を持って広く紹介していきたい商品でございます。
今回は伝統的なウォッシュド精選の商品を、AAとABの2規格にてご用意いたしました。
それぞれ、単一農園のケニア豆でありながら、比較的価格も抑えられた、品質と価格のバランスが非常にうまく取れた商品であると自信を持ってお勧めいたします。
Coffee Networkとしても数年ぶりのチャレンジとなりますケニアの新商品を是非お試しくださいませ。